許可のない屋外広告物に罰則が課せられるかもしれないことをご存知ですか?

看板は屋外広告物と皆さんは知ってましたか?

今回は「屋外広告は何なのか」、「なぜ許可が必要なのか」、「無許可の看板を設置するとどんな罰則があるか」を紹介していきます。

目次

屋外広告物とは?

「屋外広告物(おくがいこうこくぶつ)」とは、建物の外や道路・広場など公共の空間に設置され、不特定多数の人に表示される広告物を指します。

屋外広告物は都市の景観や安全に大きな影響を与えるため、屋外広告物法や各自治体の条例によって規制されています。

構造や高さ、看板面の大きさなど、地域や地区によってそれぞれに規制があり制限されていて、その規制に遵守することが求められます。


過去の悲惨な看板事故

屋外広告物に規制をかけるのは、一概に「景観や風致を保つため」だけでなく、屋外広告看板が原因で過去に悲惨な事故が発生し、それによる被害を受けてのこと。

決して繰り返してはならない、悲惨な事故。

屋外広告物の許可(更新を含む)申請を正しく遵守・履行し、しっかりと許認可を受けられていたら…

安全性の確保と過去の事故事例
老朽化した看板が落下すれば、歩行者や車両に大きな被害を与える可能性があります。条例は構造や設置基準を定めることで事故を未然に防ぐ役割を果たしています。

過去10年間で報道されるような事故は5件発生しています。その中でも大きく報道されたかに本家の看板落下事故を紹介します。

かに本家看板落下事故

2015年2月15日北海道札幌市で「札幌かに本家札幌駅前本店ビル」の看板の一部が落下し通行人の女性が大けがをした事故です。

警察の調べでは、歩道側に出している看板の一部の装飾部が落下。装飾品は重さは約25キロで、歩行中の女性を直撃しました。警察は、壁との接続部分が腐食と強風で壊れ、落下したとみています。また、北海道や東北沿岸部では非常に強い風が吹き札幌市では風速30m 弱の強風でした。事故後、同型の看板を即時撤去したという報道されました。

この看板は開店当初(1985年)から設置されていたもので、最後に正式な点検が行われたのは2013年12月で、その後は目視による確認のみが行われていたという報道もあります。

この「かに本家の看板落下事故」は、看板の経年劣化・点検不足・強風という複合リスクが重なり、屋外広告物の安全管理の教訓としてしばしば取り上げられています。


屋外広告物申請の流れ

屋外広告物申請とは?

屋外広告物を設置する際には、「屋外広告物法」および各自治体の条例に基づき、あらかじめ役所に申請して許可を受ける必要があります。
これは、勝手に広告を設置すると景観や安全に悪影響を与える可能性があるためです。

申請が必要なケース

以下のようなものを設置・変更・更新する場合に、許可申請が必要です。

・店舗の看板(壁面・突き出し・屋上看板など)
・大型の広告板やポール看板
・ネオンサイン・LEDビジョン
・一定期間を超える仮設広告(イベント用など)

事前確認

・広告物を設置する場所が「禁止地域」や「制限地域」というものがあり確認が必要

 ※確認先は自治体・管轄警察署

・大きさ・高さ・色彩などが適合しているかを確認

 ※確認先は自治体


申請書の作成・提出 ※自治体によっては異なります

・屋外広告物許可申請書

・広告物の図面・設置場所の位置図

・構造計算書(大型の場合)

・設置者・所有者の同意書

審査

自治体担当部署が安全性・景観基準に適合しているかをチェック

許可の取得

許可が下りると「許可証」が交付され、広告物に表示する義務がある場合がある

更新・変更

許可には有効期間(例:3年など)があり、継続する場合は更新申請が必要

注意点

無許可設置は撤去命令や罰則の対象になることがあります。
自治体ごとに細かい基準が違うため、必ず「屋外広告物条例」を確認することが重要です。
デザインやサイズは、街の景観条例とも関わるケースがあります。

景観の保護
無秩序な広告物が増えると、地域の景観や住民の生活環境が損なわれます。例えば、看板が密集すると、情報が競合して目が疲れ、街全体の見栄えが悪くなります。そのため条例は地域ごとに適した景観を守るためのルールを提供しています。

要は景観保護は「見た目の美しさ」だけでなく、生活環境の質・安全・地域価値の維持にも直結します。

条例は地域ごとに異なるため、設置前に必ず自治体の規定を確認が必要となります。

景観保護とは具体的どんな場所が規制されるでしょうか。

京都や鎌倉といった歴史的な街並みでは、景観を乱すような広告は厳しく制限されます。

ネオンサインの規制: 夜間の派手なネオンサインは、情緒ある街並みを損なうため、設置が制限されることがあります。 

色とデザインの統一: 広告物の色やデザインを、伝統的な街並みに調和するよう指導します。派手な原色や強い色彩は避けられ、落ち着いた色合いの使用が求められます。

広告物の高さと大きさの制限: 伝統的な建物の高さを超えるような大型の広告塔や屋上広告は禁止されます。これにより、歴史的建造物が広告で隠れるのを防ぎます。


どんな懲罰があるか?

屋外広告物はどういったケースで懲罰、または罰則が発生するでしょうか。

1.無許可の設置など、違反行為には罰金などが科せられます。(5万円以下の罰金)

また、禁止区域があり以下の区域には広告物を取り付けることができません。

  • 第一種・第二種低層住居専用地域、風致地区、特別緑地保全地区
  • 高速道路や自動車専用道路
  • 都市公園
  • 官公署、図書館、博物館などの建物
  • 歴史的建造物や銅像、記念碑

無許可で設置した違反広告物が掲示された場合、都道府県などが除却命令を出したり、強制的に撤去したりすることができます。

2.広告物の落下などにより事故が発生した場合は、業務上過失致死傷罪などの刑事責任が問われることもあります。

先ほど過去の事故で取り上げた「かに本家の看板事故」では、店舗責任者の副店長が業務上過失致傷の罪で起訴され、罰金40万円が言い渡されました。

まとめ

屋外広告物条例は、景観や安全を守るため、屋外広告物の設置を規制する法律です。都道府県や市町村の条例に基づき、原則として許可が必要となります。禁止区域や物件があり、無許可設置には罰則があります。また、安全管理や一定規模以上の広告物に対する定期点検が義務化されています。これらのルールを守ることによって事故を防ぎ地域の信頼も得ることができます。

 

最後に

屋外広告物制度の必要性を理解して、しっかりと許可申請などを行う看板の専門業者に頼むことが大切です。

弊社も条例に遵守し、施工実績を積んでいますのでお任せください。

看板のことで悩み、相談があればお気軽にご連絡ください。

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